深澤直人 HIROSHIMA マルニ木工

今月は「日本デザイナーが変えた新しい時代の定番椅子」特集です。
“生活の中の椅子“のかたち
“HIROSHIMA”アームチェアをご覧になったとき、多くの方が「静かだ」と感じられるようです。奇をてらった装飾や派手な主張はありません。けれど、背からアームにかけて流れるような曲線、光を受けて際立つ陰影のやわらかさ、そして手に触れたときの木肌の温もりには、たしかに人の心を惹きつける力があります。
無垢の木材を彫刻のように削り出し、ひとつの木の塊から生まれたかのような印象をもつ背とアーム。その一体感のある造形を実現するには、単にデザインを描くだけではなく、素材の特性を理解し、加工と強度のバランスを細部まで検証しながら進める必要がありました。(マルニ木工HPより抜粋)


HIROSHIMA by Naoto Fukasawa

隈研吾 クマヒダ 飛驒産業

まず、木が持っている『膨らみ感』『物の表情や質感』をどう綺麗に出すかを考えた。木の質感が、滑らかな膨らみや尖った凸面などと組み合わさったときに、何とも言えない官能的な美しさが出てくるんです。椅子全体がそれを引き立てる形になれば良いなという風にデザインしました。
『全体を引き立てる』と言うのは、逆にそれ以外の部分が空気中にフワーッと消えて行く、みたいな感じで。この凸面が人間の身体に直接訴えかけて来るような、そんな椅子ができれば良いな、と漠然としたイメージを持ってディスカッションを始めました。
全体のシルエットとディテールは、相互に関連し合っているので、どちらか一方が良くても駄目で、それらが上手い形で噛み合った時に初めて人間の心に響くものができる。今回のプロジェクトのやり取りを通して、思っていた以上の素敵な家具を創り出すことができ、とても満足しています。(飛驒産業HP隈研吾さんのインタビュより抜粋)


kumahida by Kengo Kuma

松岡智之 CHORUS 日進木工

思わず触れたくなる、木の質感と柔らかな表情。どうぞゆっくり、腰を下ろしてください。身体をしっかり受け止めながらも動作は妨げられることなく、何も感じないほどの快い違和感は、このうえない座り心地の良さの証。アームに指先を絡ませ、肘から先端までの感触を味わっていくうちに、自然の営みかの如く、CHORUSは身体に馴染んでいるはずです。椅子は誰しもの生活の中にある日常的な存在。だからこそ、身体感覚に基づいた造形を導き出しました。
CHORUSの椅子の美しさが最も際立つのは、流麗かつ有機的なアームの形状です。柔らかな膨らみを有す、しなやかなライン。アングルによってその表情は変わり、視覚的な魅力はもちろん、手や腕で触れることによって、その造形美を愛でることができます。(日進木工のHPより抜粋)


CHORUS by Tomoyuki Matsuoka

倉本 仁 JK arflex Japan

伝統的なチェアのモチーフを再解釈し、現代的な住環境に溶け込む姿と機能を求めた。
端正に仕上げられた優しい曲線で構成され、身体に心地よく適度にせり出したハーフアームは狭小環境下においての立ち座りを容易にする。
ごく簡易なカバーリング方式を採用し、レザーも着脱可能。日々の生活のクオリティを、さりげなく高めてくれる存在です。(arflex japanのHPより抜粋)

 
JK by Jin Kuramoto

小林幹也 Nagi 冨士ファニチア

軽やかな成型合板と重量感のある背もたれとの組み合わせによって新しい椅子を作りたいと考えました。背もたれは機械加工と熟練された職人の手仕事によるもの。有機的に削りあげた背もたれは滑らかな感触によって背中を優しく包み込みます。肘部分は手に馴染む形状を吟味し、立ち上がるときにしっかり握ることができます。(冨士ファニチアのHPより抜粋)

 
Nagi by Mikiya Kobayashi

大城健作 SWEEPY interiors

マシーン加工によって無垢材より削りだされた背を基に、アーム、シート、レッグ等のパーツを組み合わせ、チェアからカウンタースツールまで様々なタイプに展開する木製椅子コレクション。 無垢の質感を活かした彫刻的な背、カット面が生むコントラストのある形状など細部にこだわったディテールが特徴。リビング・ダイニングや書斎、応接室まで様々なシーンにおいてトータルに空間をコーディネートする事が可能です。(interiorsのHPより抜粋)


SWEEPY by Kensaku Oshiro

佐藤オオキ nendo SPLINTER Conde House

nendoの佐藤オオキ氏による流れるようなフォルムが特長のアームチェアーです。背からめくれるように裂けて、脚やアームになるデザインは、ほとんどが「半円柱」の部材となって全体に軽やかな印象を与えます。座張と木座に加えて、クッション性のある背座一体のシェルタイプも用意。アームチェアー(木座)は、2014年度グッドデザイン賞を受賞しました。
支柱が3本に裂けて脚となるサイドテーブルや、支柱から枝が分かれてフックの役目を担うコートスタンド、フレームが分岐して半円柱の脚が伸びるミラー。ネーミングの由来でもある「Split(裂ける、割れる)」のデザインモチーフが、リアルに表現されたコレクションです。(Conde House
のHPより抜粋)


SPLINTER by nendo Oki Sato

猪田恭子+ニルス・スバイエ DC10 宮崎椅子製作所

「もしかして、一本の木からの削り出しなの?」って疑いたくなるフォルム。
まるで一本の継ぎ目のない真っ直ぐな木をそのまま機械の上に設置し、大小様々な刃が付いたルーターで何度も往復しながら削り出し作った雰囲気が漂う。
私たちが毎日目にする椅子、その椅子の形は脳に刻み込まれる。刻まれた椅子の形は、どこかで「椅子」と聞き、脳に浮かび上がる椅子のイメージを形成する。私たちのイメージにある椅子の形とは、「脚」「桟」「貫」「背」等、それぞれのパーツが組み上げられ完成するもの。そしてそれぞれのパーツはそのぞれの「部品名」に相応しく、それなりの形をしているし、完成した椅子を眺めながらパーツの名前を簡単に答えられるもの。
このDC10はその私たちが想像する椅子とは違う。
例えばどこからどこまでが脚のパーツで、またどこまでが背もたれのパーツなのか、一見だけでは見分けが付かない。
このDC10も、他の私たちが想像るす椅子同様に、まずそれぞれのパーツが作られ、そしてそれが組み上げられ完成する。でも、それぞれのパーツの継ぎ目があまりにもスムーズで最初に「もしかして、一本の木からの削り出しなの?」って呟きたくなってしまう。(宮崎椅子製作所のHPより抜粋)

DC10 by Inoda+Sveje