陰と陽の表現の椅子 maruni HIROSHIMA

今月は編集部が選んだ定番になるか! 日本製の椅子特集。
マルニ木工のHIROSHIMAはナチュラルな木肌を生かし、シーンにこだわらず、あらゆる場所でずっと長く使えることを想定したシンプルで精緻な構造の椅子。椅子の座、そしてアームチェアの側面のテーパーは、光のあたる天面をより美しく強調しています。深澤直人の名を世界に知らしめた1脚の椅子。アップルの本社ビルには大量に納めれている。すでに現代の定番と呼べる。

 

HIROSHIMA by Naoto Fukasawa

飛驒産業人気の椅子 ハーフアームのseoto

川上元美がデザインするseoto。飛驒産業の売上げ1位に君臨するヒット商品。後脚に繋がるハーフアームが印象的でもあるが、座る時気にならない存在で立上がる時には効果的な役割を果たすスリムな椅子。素材感の伝わる削り出されたディティール技が生み出す個性的なフォルム。材種も、ホワイトオーク・ビーチ・ウォルナット3種類から選べる。

 
seoto by Motomi Kawakami

天童木工の人気椅子は長大作が手がけた坂倉準三の椅子

天童木工で坂倉準三氏が設計した空間のためにデザインされたこの椅子は、その後誕生する低座イスや中座イスへとつながる、イスの「原形」であり、現在売られているものも初期のフォルムに近い形を再現したもの。坂倉準三建築研究所の担当したのが長大作。IDÉEでは少し大きめのフォルムのものが作られていた。今は天童木工と近いサイズ。

 
T3222(Tendo) / Dining Chair(IDÉE) by Junzo Sakakura

飛騨高山では北欧のデザインを担当 牛の角を想像させる肘

日進木工の木の実をモチーフにしたセミアームチェアです。肘かけの先端にブラックウオールナットをあしらった個性的なデザインが特徴。 毎日動かす椅子だから、使う人に優しい約3.4kgの軽量設計。 背中を包み込む背もたれから、美しいカーブを描いてつながる肘かけは、 座るときや立つときに邪魔にならず、腕をあずけるにはちょうど良い大きさ。

 
WHITE WOOD WOC-131 by Hiroshi Yajima

nendoのアイディアが具現化。分岐する椅子

Splinterはnendoが旭川の木工メーカー・カンディハウスのためにデザインした家具コレクション。1本の木材がまるでめくれるように裂ける。チェアの背もたれが分岐することでアームと脚になる。実際には高度な技術で「めくれる」を叶えた。木目に逆らわないことで、木が本来持ち合わせているしなやかさを活かした「柔らかな」木の扱い方。意匠と構造のバランス。

 
Splinter chair by nendo

匠工芸スタッキングもできる木製の椅子

国際家具デザインコンペティション旭川2014にてシルバーリーフ受賞した松岡智之のTAPERED chair。匠工芸が製品化した。成形合板を駆使して制作され、後脚は斜めの角度にジョイントされているのが面白い。4脚までスタッキング可能で黄色やオレンジ、グレーといった着色のバージョンも用意されている。また同シリーズにはスツールもある。

 
TAPERED chair by Tomoyuk Matsuoka

宮崎椅子製作所の流れを変えたInoda+Sveje

宮崎椅子製作所がミラノサローネ出展へ架け橋となったイタリア在住の猪田恭子+Nils SvejeがデザインするDC10は、たった2つの表面から形作られ、全ての接続部分が一体化しており、それは、やがて座っている人を抱きかかえる内側とそれ以外の部分の外側、2枚の表面がシャープなエッジで出くわす作りになっている。メッシュの座と木材のフレームが絶妙に融合し、スリムで美しい椅子を形成している。

 
D09 by INODA+SVEJE

小林幹也の椅子 マストチェアは美しい

人気デザイナー小林幹也の目黒にオープンしたライフスタイルブランドショップ「IMPLEMENTS」のオリジナルチェア。IMPLEMENTSとは「家の中を満たすもの」の語源を持つ「道具」を意味する単語。IC1 MAST CHAIRは名前のごとく船の甲板に立っている柱を想像できるバランスの良い椅子。背や座の曲がり具合もスタイリッシュ。

 
IC1 MAST CHAIR by Mikiya Kobayashi

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